同人誌を完成させるためのポイント【初心者でも完成させる方法】
同人誌を完成させるのは楽しい一方で、いざ制作を始めると多くの壁にぶつかります。
アイディアが浮かばなかったり、ネームのコマ割りが難しかったりと、さまざまな問題に悩まされることもあるでしょう。
このガイドでは、初心者でもできるだけスムーズに同人誌を完成させるためのステップやコツを紹介します。
1.ストーリーのアイディアを考える
悩み:「話がなかなか思いつかない、何を描いたらよいのかわからない」
ストーリーが決まらないと制作が進まないので、まずはアイディア出しから始めましょう。
まずはこの関門を突破しましょう。
心構えとしては、描きたいと思ったストーリーは誰かが描いているとかを考えずに描きましょう。
余計なことは考えずに素直に描くのが良いと思います。
1-1.アイディアの出し方
- テーマを決める:
まず、大枠となるテーマやジャンルを決めることで、方向性が明確になります。
どうしてもテーマが決まらない場合は普段の生活の中から、何かないかを見ながら考えてみましょう。 - 自分の好きなシチュエーションをリストアップ:
好きなシーンや二次創作の場合であればキャラクター同士の関係性からイメージを膨らませましょう。
自分が楽しいと感じるアイディアは描きやすく、やる気も維持しやすいです。 - 参考資料を集める:
参考になる漫画やイラスト、映画などを見て何か参考になりそうなものがないか探してみましょう。
漫画を読み込みすぎないように注意しましょう!作業が進みません。
1-2.プロット作成の基本
- 三幕構成を使う:
ストーリーを「導入」「展開」「解決」の3つに分け、各部分に必要なシーンを埋めていくと構成が作りやすくなります。
三幕構成について(カクヨム)
あらすじ
ある日、村の平凡な少年が「魔王の手下が復活した」という噂を聞き、村を守るために旅に出ることを決意。仲間とともに成長しながら冒険を続け、最終的に魔王の手下を倒して村に平和をもたらす物語。
第一幕(導入):主人公の日常生活と冒険のきっかけを示す。物語を動かす事件や決意を描写。
第二幕(展開):成長や困難を通じて主人公の変化や仲間との絆を強調。危機的な状況での新たな力の発見などで物語をクライマックスに向けて盛り上げる。
第三幕(解決):決戦と達成感のあるエンディング。クライマックスでの勝利、平和な日常の復帰、新たな旅立ちなどで物語を締めくくる。
- セリフやストーリーを箇条書きにする:
登場キャラの会話や行動を箇条書きで書き出し、物語の流れをシンプルにまとめるとスムーズです。
箇条書きで書くと、長い文章を書くよりも簡単に書くことができます。
2.ネーム作成とコマ割り
悩み:「ネームをどうしたらいいのかで悩む」「コマを割ってもいい絵が思いつかない」
ネームとコマ割りは物語のテンポや見せ場を作るための重要な工程です。
ネームとは、物語の流れやシーンをページに落とし込んだラフ構成のことです。ネームやコマ割りは作品のリズムを決め、読者にとっての読みやすさを左右します。
2-1.ネーム作成のポイント
- 物語の流れを意識:
最初に作成をしたストーリーのシーンごとに、キャラクターの登場シーンや重要な出来事を順に配置します。
ネームを作成するときは大まかなキャラクターの動きがわかるようにしておきます。 - ページ数を決める:
ページごとに起承転結を意識し、話を詰め込みすぎないようにページを分けます。
例えば、主要なイベントや感情の変化があるシーンには多めにページを割くと読みやすくなります。 - セリフを入れる:
ラフな絵の段階で、キャラクターのセリフやモノローグを加えることで、ストーリーの流れが見えてきます。
2-2.基本的なコマ割りのコツ
- 流れを意識する:
ページをめくったときの視線の動きを考え、自然に目線が誘導されるような配置にします。
目立たせたい場合は大きなコマを使用したり、コマからはみ出すようにして描くことで視線を誘導しやすくなります。 - シンプルなコマ割りから始める:
初心者は、縦や横の長方形を基本としたコマ割りから始めるとスムーズです。 - メリハリをつける:セリフが多い場面やアクションシーンには大きなコマを使い、静かな場面や余韻を持たせたいところでは余白を多めにします。
2-3.アイディアが浮かばない時の対処法
- 参考になる漫画や同人誌を観察する:
他の作品を見て、どのようにコマ割りがされているか学びましょう。
特に、キャラクターの表情や動作がどのように描かれているかが参考になります。
似たようなシーンがあれば、コマ割りや構図を参考にさせてもらいましょう。 - 頭の中でシーンを再生する:
キャラクターの動きや場面をイメージしながら、紙に簡単な絵を描き出してみると、具体的なイメージが湧きやすくなります。 - いつでもメモができるようにしておく:
アイディアを思いついたときに、簡単でもメモしておかないと、すぐに忘れます。
メモ帳でもスケッチブックでも何でも良いのでメモを描けるようにしておきましょう。
ベットや枕元のところにスケッチブックを常時置いておくと良いです。
3.効率よく描くためのコツ
悩み:「絵が上手く描けないために線画の作成に時間がかかる」「1ページ作成するのに何故か時間がかかる」
描くのに時間がかかるのは、悩む時間が多くなっているからかもしれません。また、すべてのコマの完成度を高くしようとして描いているため、いつまでも終わらないといった状態になってしまいます。
時間に限りがある場合は、悩む時間を極力減らしつつ、重要なコマに力を入れて描くようにしましょう。
3-1.基本的な線画の描き方
- アタリをしっかり取る:キャラクターの位置やポーズをざっくり決めてから細部を描くことで、バランスが取りやすくなります。
ラフの段階でしっかりと描いていると線画を描く段階で悩みながら、描くことが少なくなります。
綺麗に線を描くのは時間がかかるので、ラフ絵である程度は完成形が見えるようにしましょう。 - シンプルな線を意識する:細かい部分を描きすぎると時間がかかるため、まずは輪郭をはっきりさせてから、少しずつ影や線の強弱などのディテールを足していきます。
- 描き直しを減らす:仕上げすぎることを気にせず、ある程度で「OK」を出し、進行を優先しましょう。
同人誌を完成させることに意味があるので、最終ページに行くまではある程度は妥協してすすめましょう。
3-2.時間短縮の描画テクニック
作業での時間を短縮させる一つの手段とでも思ってください。
もっと良い、時間短縮のテクニックがあるかもしれません。
使用する基本トーンを決めておく:
キャラクターに使用する基本のトーン(線数や濃度)を決めておくことで、使用するトーンを考える手間を省けます。
線画を先に仕上げる:
同じトーンを貼る箇所をまとめて選択することで、トーンを貼る回数を出来るだけ減らします。
同じ作業の回数を減らすことが作業時間の短縮に繋がります。
ポーズ集や他の資料を参考にする:
描きたいけど、描けないポーズがある場合は、ポーズ集や他の資料を素直に参考にしましょう。自分で無理に描こうとしても慣れていない絵は描くことができません。
悩んでいるよりも参考になるものがあれば参考にして描くことを優先しましょう。
パーツごとにレイヤーを分ける:デジタルなら、顔や服などをレイヤーごとに描くと修正がしやすく、全体の調整も簡単です。
CLIP STUDIO PAINTの場合はベクター線で描いて、クロスした線を削除する機能を使うと、消しゴムで線を消す時間を短縮することができます。
ラフまではアナログで描く:
コマ割やネーム、ラフ画などをアナログで描くことで時間短縮になる場合があります。
それなりに絵をかけるのであれば、アナログでラフ画まで仕上げ、スキャンしたデータをデジタルで仕上げると時間短縮になるかもしれません。
4.最後まで描ききるための工夫
同人誌の制作中にモチベーションが下がることもありますが、続けるための工夫を取り入れることでなんとか完走しやすくなります。
4-1.モチベーション維持のコツ
スケジュールを立てる:ゴールの日程を設定し、1日ごとの目標を決めることで達成感が得やすくなります。
スケジュールを立てる場合は、印刷会社の締め切りをまずは確認します。
印刷会社の締め切り日から1日で進めないといけない作業量(ページ数)を逆算して進めましょう。
スケジュールが苦手な方には、『同人手帳』というスケジュール管理ソフトの解説記事がおすすめです。
チェックリストで進捗を確認:
各ページや作業項目をリスト化し、終わったものにチェックを入れると、進み具合が一目でわかり、やる気が湧いてきます。
もしくは、想定している総ページ数を目視できる状態で部屋の中に設置します。ラフを描いたページから白紙のページと交換をしていきます。
次にラフと完成したページを交換していくことで、あとどれくらいで完成するのかを見ながら進めることができます。
仲間と進捗を共有する:SNSや仲間との共有を通じて、お互いに励まし合いながら進めると、やる気が保てます。
総ページ数に対して、どれくらい完成したのかを1日ごとに進捗率で報告することで、モチベーションを保つことができると思います。
まとめ
同人誌制作は時間と労力がかかる作業ですが、最後まで描き切る気持ちがあれば、初心者でも完成までたどり着けます。
最後までやり遂げる強い意志が大切です。
今回紹介したのは、ストーリーのアイディア出し、ネームとコマ割り、効率的な線画作成、モチベーション維持の方法などです。
自分に合った方法を見つけ、楽しみながら同人誌制作を進めていきましょう!
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