【無償ソフト】イラストを画像生成AIから守る[Glaze]

画像生成AIが公開された当初は凄い早さで様々なイラストを作成することが出来るので今後のイラスト作成が今まで以上に効率的に行えると思いました。
テキストから変わったデザインのキャラクターが簡単に生み出せるのは非常に面白いと感じました。
しかし、暫くして海外に転載されていたイラストなどを学習した画像生成AI用のモデルが個人でも使用できる形で配布されています。
画像生成用のモデルの中には特定のイラストレーターにのみ特化したモデルも出ており、無断での学習及び配布が横行している状態です。
個人が画像生成AIの学習も「禁止」と表現しても殆ど効果が無いのが実情です。
そこで以前から米シカゴ大学の学術研究グループが、画像生成AIによる学習を防止するためのツール「Glaze」の開発を行っており遂に、無償公開がされたので本記事にまとめます。
- 画像生成AIに自分のイラストを学習されたくない人
- Glazeのダウンロードから使用方法までを知りたい人
画像生成AIの学習防止Glazeについて
Glazeの概要としては画像自体に人間が殆ど認識が出来ないような変更を加えます。
人が認識することが出来ないような変更なので、変更前のオリジナルのイラストとほぼ同じように見ることができます。(※設定による)
しかし、AIの学習モデルから見た場合、同じイラストとして認識されないようになっています。
画像生成AIモデルとして有名な「Staible Diffusion」は数枚の画像から学習することができますが、Glazeを使用することで学習を阻害できるようになります。
学習がされたか、されていないかの評価はプロのアーティスト1100人によって行われています。
Glazeは画像生成AIによる学習を防止するためのソフトですが、半永久的に学習を防止することが出来るわけではないことが開発者のサイトに記載されています。
いつかはGlazeを使用して学習を防止する対策を入れているイラストでも学習される可能性があります。
しかし、一時的にでも学習を防止することが出来るので、その間に法整備が進むことを期待したいところです。
Glazeのダウンロードについて
以下のサイトからGlazeをダウンロードすることができます。
2023年3月16日時点ではGlazeはまだベータ版です。
https://glaze.cs.uchicago.edu/
まず、サイトトップにある「Download」をクリックします。
ページ内のダウンロードリンクがある箇所まで画面を移動することができます。

ダウンロードリンクの位置までページが移動しますが、「Downloads」と記載されている場所をクリックしてもソフトはダウンロードされません。
文章が記載されている一番最初の行にある「here」がダウンロードリンクになっています。

ダウンロードのページに移動すると、各OSごとにソフトが用意されています。
MacOSの場合は使用しているCPUごとでソフトが分かれています。
ソフトをダウンロードした時点で、ソフトウェアライセンスに同意したことになるとの注意書きがあります。

また使用する前にF&Qをご確認ください。
ソフトの使用方法とよくある質問が記載されています。
https://glaze.cs.uchicago.edu/guide.html
Glazeのインストールについて
1.ダウンロードした実行ファイルを起動させます。

2.実行ファイルを動かして暫くするとGalzeのロゴが表示されます。

3.ロゴが消えた後、ダウンロードするためのリソースの確認を行います。やや時間がかかります。

4.リソースの確認が完了するとGlazeを実行するのに必要なMLライブラリなどをダウンロードします。
ダウンロードされるファイルのサイズは約4GBあるので回線速度によってインストール完了までの時間が左右されます。
9つめのファイルまでダウンロードが継続されます。

5.無事にリソースのダウンロードが完了するとGlazeが起動します。リソースのダウンロードは初回起動時のみなので、以降はデスクトップにショートカットが作成されるので、すぐにGlazeを使用することができるようになります。

Glazeの使用方法

基本的にGlazeの画面に記載されているステップの順番で操作を行います。
STEP.1:
Glazeの処理を行いたい画像を選択またはドラッグ&ドロップします。
STEP.2:
Glazeの設定を行います。
上段
Glazeをどれくらい強く入れるかの設定になります。
Glazeを強く入れるほどオリジナルイラストに変更が加えられ、人の目でも変化が認識できるようになってきます。
代わりにAIへの保護が強化されます。
下段
レンダリングの品質を設定します。
値を高くするほど、AIへの保護は強化されますがレンダリング時間が長くなります。
STEP.3:
出力するフォルダを選択します。「save as…」をクリックしてGlazeで処理したイラストを保存するフォルダを選択してください。
Previewボタン
Previewボタンを押すとおおよその処理後の画像が表示されます。
見た目に変化がないかを事前確認することができます。
Run Glazeボタン
Glazeにより処理を開始します。
※処理が開始されると途中で終了するボタンが現状はないようです
Glazeを使用してみる

Glazeの強度をVeryLowとVeryHighに設定をしてプレビューをしてみた結果が上図になります。
VeryLowはそこまでイラストに加工がほどこされたようには見えませんが、VeryHighには加工されたように見えます。

Glaze強度:VeryLow、レンダリング品質:Faster 923X623 96dpiの画像でGlazeを実行すると最初に画像解析が行われます。
画面には約3分くらいと表示されます。実際には約3分20秒でした。

画像の解析が終わると画像生成AIの学習を防止するための処理を実行します。
最初は処理が完了するまでに数時間と記載されますが、約10分程度で完了します。(使用しているCPUの性能に依存します。Core i7 6700k)
一度処理を開始すると止めるボタンが見つかっていません。
ソフト自体を終了するしかないと思います。
左上の画像横にファイルの「×」マークがありますが、ファイルが除外されるだけで処理はとまりません。
あとプレビューの画面がバグります。

まとめ
Glazeのおかげで簡単に画像生成AIへの学習防止を行えるようになりました。
しかし、画像生成AIも凄い早さで進化しつづけているので今のGlazeではいつかは対策を取られてしまうかもしれません。
一時的な対策かもしれませんが学習を防止する手段が個人でもできるようになったのは良かったと考えます。
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