デジタルイラスト影の基本的な描き方:光源と配色で魅力的なイラストを描こう!

2024年10月14日

デジタルイラストを描く際、色彩と影の扱いはイラスト全体のクオリティを左右する重要な要素です。

光源の設定や効果的な影の描き方を理解することで、キャラクターやシーンに立体感を与え、配色を工夫することで作品全体の雰囲気をコントロールすることができます。

この記事では、光源の設定と配色に焦点を当て、初心者でも取り組みやすい基本的なテクニックから、より詳細な描き方までを詳しく解説しています。

色彩と影を理解することで、あなたのイラストがより魅力的に仕上がるでしょう!

1.光と影の基本的な役割

光と影はイラストに立体感を与えるための基本的な要素です。

適切に光を当て、影をつけることで、キャラクターやシーンがより生き生きとした印象になります

また、光と影はイラストの雰囲気や物語性にも影響を与えるため、どこから光が当たるのか、どのような影がつくのかを意識することが大切です。

2.光の種類と役割

光の種類はイラストの表現に大きな影響を与えます。

それぞれの光が持つ役割を理解し、うまく使い分けることで、描きたいイメージを的確に表現することができます。

2.1メインライト

メインライトとは、物体に当たる主な光源です。

この光によって、イラスト全体の立体感が強調され、どの部分が明るく、どの部分が影になるのかが決まります。

メインライトの位置や強さは、キャラクターやシーンに対する視覚的な印象を大きく変えます。

2.2ハイライト

ハイライトは、光源に最も近い部分に反射する強い光です。

ハイライトは、見る人の注意を引きやすいポイントでもあります。

特に、目や宝石、ガラスのような表面が滑らかで光沢のある素材ではハイライトを入れることで、物体にツヤと立体感を加え、質感を演出できます。

キャラクターを描くときに髪や服のツヤを表現するのも重要な表現です。

逆に表面がザラザラした凹凸のあるような物体(岩とか地面など)は反射するときに光が拡散するため、ハイライトがあると不自然に感じます。

下図のように綺麗な平面の場合は入射してきた光に対して綺麗に反射をしてくれますが、粗い平面だと光が拡散してしまうため、入射した光よりも弱くなって反射します。

そのため、凹凸のある平面でハイライトを入れる場合はできるだけ小さくすると自然になります。

2.3リムライト

リムライトとは、キャラクターや物体の輪郭に沿って入れる光のことです。

背景との対比を強調し、キャラクターや物体が際立つ効果を持っています。

逆光のシーンでキャラクターを強調したいときに使われることが多く、キャラクターのシルエットを際立たせることで、独特な印象を与えます。

リムライトが発生するのは光は障害物の端を通過するときに僅かに曲がる性質があるため、輪郭に沿って明るく照らされます。また、光の透過や反射も要因の一つとしてあります。

2.4反射光

反射光は、物体の周りの環境からの光が反射して当たる部分です。

通常は影の中に現れ、暗くなりすぎないようにする役割を果たします。

これにより、影の中にも柔らかい光の表現が加わり、リアルな質感が生まれます。

光が当たって反射している面の明度が高いほど、反射光は多くなり、逆に暗いと、ほとんど反射しなくなります。

上記にも書きましたが反射面する面が粗いと反射光が拡散するため反射する光が更に弱くなります。

また、反射する面の色によって反射をする光も変化します。

基本的に反射面の色の光が反射されます。青の面であれば青い光が反射され、赤色の面であれば赤色の光が反射されます。

ライティングについて、更に知りたい場合は下記の書籍が参考になります。

3.光源の設定:直射光と拡散光の違い

光源は「直射光」と「拡散光」に大別できます。

光の性質を理解することで、影の描き方や配色がより自然になります。

光源が異なると、イラストの雰囲気や立体感が大きく変わるため、どちらの光を使うかで作品の印象が決まります。

直接光、拡散光
  • 直射光(強い光): 太陽光やスポットライトなど、一方向から強く照射される光です。くっきりとした影が生まれ、コントラストが強くなります。
  • 拡散光(柔らかい光): 曇りの日や屋内の間接照明のような、全体的に柔らかく広がる光です。影がぼんやりとし、自然で柔らかい印象を与えます。
    間接光が影にあたることで、直接光でくっきりとしていた影が明るくなるため、ぼんやりとした影になります。

4.色彩の基本:光による色の変化

光が物体に当たることで、その部分の色は明るくなり、影の部分は暗くなります。

影の描き方にも光の色を反映させることで、作品により一層のリアリティが生まれます。

明度と彩度の調整: 光が当たる部分は明度を上げ、影の部分は明度を下げます。

彩度も影の部分では少し落とすことで、自然な陰影が生まれます。

例えば、夕日の光が当たる場合は、明るい部分を橙色にし、影を青みがかった色にすることで、補色の効果による強い対比が得られます。

5.光と影を使った配色テクニック

光と影をうまく使うことで、イラストに深みと魅力を与えることができます。以下のように光源と影を効果的に活用しましょう。

  • 補色を利用したコントラスト効果: 例えば、メインライトが暖色系(オレンジや赤)の場合、影には寒色系(青や緑)を使うと強い対比が生まれ、視覚的に印象的な効果を生みます。
  • 類似色での統一感: 光源と影に類似した色を使うことで、シーン全体に調和をもたらします。例えば、朝日の柔らかい光を背景に使う場合、影にも類似した淡い色を使うと、全体的に穏やかな印象を与えることができます。

配色の基本テクニックについては下記の記事で解説しています。

「光と影」の描き方について更に知りたい場合は下記の書籍が参考になります。

まとめ:光と影、色彩を活用して魅力的なイラストを描こう

光源の設定と配色を意識することで、イラストに立体感と深みを与えることができます。

初心者でも理解しやすい光と影のテクニックを活用して、あなたのイラストをさらに魅力的に仕上げましょう。

さあ、今日から光源と配色を意識したイラスト制作にチャレンジしてみてください!