同人誌の頒布価格はいくら?ページ単価と印刷費から決める目安

同人誌の価格を決めるときに、
「何ページでいくらにすればいいのか」
「ページ単価はどれくらいが普通なのか」
「印刷費を考えると、どのくらいの価格にすれば次の本も作りやすいのか」
と迷うことは多いのではないでしょうか。
同人誌の価格は、ページ数だけで決めるものではありません。
ただし、本文1ページあたりの価格=ページ単価を見ると、価格が高すぎるのか、安すぎるのかを考える材料になります。
大切なのは、ページ単価を「利益を大きく出すための数字」として扱わないことです。
同人活動では、利益目的よりも、作品を作り、発表し、無理なく活動を続けることが重視されます。
ページ単価は、制作費や印刷費を確認しながら、次の本も作り続けるための判断材料として扱うと考えやすくなります。
特に、初めて同人誌を作る人や、頒布数の予測がまだ難しい小規模サークルでは、ページ単価を確認しておくと頒布価格を決めやすくなります。
一方で、固定ファンがいるサークルや、作家性・希少性・装丁に価値を感じてもらいやすい本では、一般的なページ単価より高めでも成立する場合があります。
同人誌の価格に、絶対的な正解はありません。
ページ単価は、印刷費、本文ページ数、部数、在庫リスク、頒布場所を合わせて考えるための目安です。
以下では、同人誌のページ単価の考え方、印刷費から価格を考える方法、漫画同人誌・イラスト集の価格とページ数の目安を整理します。
イベントでの同人誌価格はどれくらいにする?
同人誌の価格で迷う場合は、まずイベント会場で直接頒布するときの価格を考えると分かりやすくなります。
イベント頒布では、細かい金額よりも100円単位の価格が扱いやすくなります。具体的な丸め方は後半で説明します。
一般向け同人誌の価格傾向をもとにすると、イベント頒布価格の目安は次のようになります。

この図表は、必ずこの価格にするべきという意味ではありません。
印刷費、部数、装丁、本文カラー、判型(印刷サイズ)、在庫リスク、ジャンル、読者層によって、適切な頒布価格は変わります。
漫画では、24〜46ページあたりまで500円前後に集まりやすい傾向があります。
48ページを超えると600〜800円前後、64ページ以上では1,000円前後も選択肢になります。
イラスト集では、ページ数が少なくても500円前後になりやすく、24ページを超えると700〜1,000円前後の頒布価格帯が増えます。32〜46ページのイラスト集では、1,000円前後を目安に考えると分かりやすいです。
イラスト集が漫画より高くなりやすい理由は、本文フルカラーのものが多いこと、大きい判型で作られやすいこと、紙や印刷仕様の影響を受けやすいことです。
迷った場合は、次のように考えると決めやすくなります。

最初から安くしすぎる必要はありません。
初参加や小規模サークルでは「安くしないと手に取ってもらえないかもしれない」と考えやすいですが、安すぎる頒布価格にすると、印刷費を回収しにくくなったり、次回以降の本と価格の整合性が取りにくくなったりします。
同人誌の頒布価格はどう決める?

同人誌の頒布価格は、ページ数だけで決めるものではありません。
本文ページ数は大切な目安ですが、実際の価格には、印刷費、部数、本文カラー、装丁、在庫リスク、イベントでの会計のしやすさも関係します。
最初に考えたいのは、次の3つです。
| 見るポイント | 目的 |
|---|---|
| 印刷費・部数・在庫リスク | 次の本を作り続けるための最低ラインを確認する |
| 本文ページ数・印刷仕様・装丁 | 本の内容に対して価格が極端に見えないか確認する |
| イベント頒布・会計のしやすさ | 会場で扱いやすく、お釣りを準備しやすい価格にする |
まず確認したいのは、印刷費です。
印刷費を大きく下回る価格にすると、次の本を作る負担が大きくなります。
次に、本文ページ数からページ単価を見ます。
ページ単価を見ると、読者から見た価格感を確認しやすくなります。
たとえば、本文32ページの漫画本と、本文32ページのフルカラーイラスト集では、同じページ数でも価格感が変わります。
漫画本は本文モノクロになりやすく、イラスト集は本文フルカラーや大きめの判型になりやすいからです。
最後に、イベントで会計しやすい価格に調整します。
イベント会場では、細かい金額よりも100円単位の価格が扱いやすくなります。
つまり、同人誌の頒布価格は、次の流れで考えると決めやすくなります。
- 印刷費を確認する
- 部数と在庫リスクを見る
- 本文ページ数でページ単価を確認する
- 漫画本かイラスト集かを考える
- イベントで扱いやすい100円単位に丸める
- 次回以降も無理なく続けられる価格か確認する
ページ単価は、価格を決めるためのひとつの目安です。
ページ単価だけで機械的に決めるのではなく、印刷費とイベントでの頒布しやすさも合わせて見ることが大切です。
同人誌のページ単価は2つに分けて考える
同人誌のページ単価は、何を基準にするかで意味が変わります。
初心者がイベントでの頒布価格を考える場合は、まずは次の2つに分けて考えると整理しやすくなります。
| 種類 | 計算式 | 役割 |
|---|---|---|
| 頒布価格ベースのページ単価 | イベント頒布価格 ÷ 本文ページ数 | 読者から見た価格感を確認する |
| 印刷費ベースのページ単価 | 印刷費 ÷ 部数 ÷ 本文ページ数 | 印刷原価の目安を確認する |
頒布価格ベースのページ単価は、イベントで本を手に取る人から見た価格感を確認するための数字です。
たとえば、本文28ページの本を500円で頒布する場合は、次のようになります。
500円 ÷ 28ページ = 約17.9円
本文1ページあたり約17.9円の本として考えられます。
一方で、印刷費ベースのページ単価は、作り手側の印刷原価を確認するための数字です。
たとえば、印刷費が20,000円、部数が50部、本文32ページの場合は、次のようになります。
20,000円 ÷ 50部 ÷ 32ページ = 12.5円
この数字は、読者から見た価格ではありません。
1冊あたりの印刷費を本文ページ数で割った、印刷原価の目安です。
同人誌の価格を考えるときは、頒布価格ベースのページ単価と、印刷費ベースのページ単価を混同しないことが大切です。
①イベント頒布価格を決めるときは、まず読者から見た価格感を確認します。
②印刷費ベースの単価を見て、作り手側の負担が大きくなりすぎないか確認します。
なお、後半では、同人誌通販サイトに掲載されていた価格をもとに、作者側に残る金額の目安も整理しています。
調査データは、イベント頒布価格を考えるための参考情報です。イベント会場での価格をそのまま決めるための絶対的な基準ではありません。
ページ単価を計算するときは本文ページ数を基準にする
ページ単価を計算するときは、基本的に本文ページ数を基準にすると整理しやすくなります。
同人誌の総ページ数には、表紙、表紙裏、裏表紙裏、裏表紙を含める場合があります。
一方で、読者が本文として読む部分は、表紙まわりを除いた本文ページです。
たとえば、本文28ページの本でも、表紙まわりを含めて32ページとして扱う場合があります。
500円で頒布する場合、計算結果は次のように変わります。
| 計算に使用するページ数 | 計算式 | ページ単価 |
|---|---|---|
| 本文28ページで計算 | 500円 ÷ 28ページ | 約17.9円 |
| 表紙込み32ページで計算 | 500円 ÷ 32ページ | 約15.6円 |
価格感を見るなら、本文ページ数で計算した方が、読者が実際に読む内容量との関係を確認しやすくなります。
ただし、頒布価格を決めるときは、本文ページ数だけでなく、表紙や裏表紙も含めた本全体の仕様を見ます。
表紙フルカラー、本文モノクロ、本文フルカラー、特殊紙、表紙加工などによって、印刷費は大きく変わります。
考え方としては、次のように分けると分かりやすいです。
| 見るもの | 使い方の意味 |
|---|---|
| 本文ページ単価 | 読者から見た価格感を確認する |
| 表紙・本文・装丁を含めた印刷費 | 制作費の負担を確認する |
| 頒布価格 | 本全体の仕様、活動継続、手に取りやすさを合わせて決める |
ページ単価の計算は本文ページ数でそろえる。
頒布価格は表紙・裏表紙・本文・装丁・頒布方法まで含めて考える。
このように分けると、価格設定の考え方が整理しやすくなります。
印刷費ベースの単価は「原価の目安」

印刷費ベースのページ単価は、同人誌の原価を確認するための数字です。
計算式は次の通りです。
印刷費ベースの単価 = 印刷費 ÷ 部数 ÷ 本文ページ数
たとえば、印刷費が20,000円、部数が50部、本文32ページの場合は、次のようになります。
1冊あたりの印刷費:20,000円 ÷ 50部 = 400円
印刷費ベースの本文ページ単価:400円 ÷ 32ページ = 12.5円
この数字は、1冊あたりの印刷原価を本文ページ数で割った目安です。
ただし、この計算は50部すべてが売れる前提になりやすい点に注意が必要です。
実際には、50部刷っても30部だけ頒布して、残りが在庫になる場合があります。
50部すべてが頒布できれば、1冊400円で印刷費を回収できます。
しかし、30部しか頒布できなかった場合、実際に回収できる金額は30部ぶんだけです。
より安全に考えるなら、発行部数ではなく、現実的に頒布できそうな部数でも確認します。
例:印刷費20,000円、50部発行、30部頒布できそうな場合
20,000円 ÷ 30部 = 約667円
この場合、印刷費を30部で回収しようとすると、1冊あたり約667円が目安になります。
ただし、同人活動では利益を大きく出すことが目的とは限りません。
この計算は、利益を増やすためではなく、次の本も無理なく作り続けるために、制作費の負担を確認するものです。
印刷費ベースの計算では、特定の印刷所の料金表ではなく、自分が利用する予定の印刷所で見積もった金額を使います。
同じ32ページの本でも、判型、部数、本文カラー、表紙加工、納期、早割の有無によって印刷費は変わります。
記事内の計算例は、考え方を説明するための仮の金額です。
実際に頒布価格を決めるときは、利用予定の印刷所で見積もりを取り、印刷費をもとに1冊あたりの負担を確認してください。
印刷費以外にも活動費がかかる
同人誌の価格を考えるときは、印刷費だけでなく、活動全体で発生する費用も知っておくと安心です。
イベントにサークル参加する場合、印刷費以外にも次のような費用が発生します。
• イベント参加費
• 交通費
• 宿泊費
• ポスターや値札などの設営費
• 搬入・搬出費
• 通販を行う場合の梱包材や手数料
• 食費や交流費
ただし、すべての費用を同人誌1冊の価格に上乗せする必要はありません。
同人活動では、イベント参加そのものを楽しむ費用や、交流のための費用もあります。
初めてイベントに参加する場合は、印刷費に加えてイベント参加費や交通費も発生することを知っておくだけでも十分です。
価格を決めるときは、まず印刷費と部数を見て、次の本を作り続けられる価格かどうかを確認しましょう。
2回目以降のイベントでは、前回の在庫を持ち込むこともあります。
既刊の在庫がある場合、参加費や交通費をどの本にどこまで割り当てるかは複雑になります。
初心者のうちは、活動費を細かく1冊あたりに割り戻すより、同人活動全体でどのくらい費用がかかるかを把握しておく方が現実的です。
イベント参加費や遠征費まで含めて考えたい場合は、同人イベントで必要な参加費・遠征費の費用一覧 で、同人イベントに参加するときに発生しやすい費用を整理しています。
価格目安に使った調査データについて
本記事の調査データは、同人誌通販サイトに掲載されていた一般向け同人誌をもとにしています。
掲載ページ数は、通販サイト上の表示ページ数を使用しています。本文ページ数だけで計算したものではありません。
ただし、通販サイトの掲載価格をそのままイベント頒布価格として使っているわけではありません。
通販価格には、消費税や販売に関わる費用が含まれるため、イベント会場で直接頒布する価格とは条件が違います。
ここでいう推定額は、通販価格そのものではなく、イベント頒布価格を考えるための参考値です。
調査データは、イベント頒布価格を決めるための参考情報です。
最終的な価格は、印刷費、部数、装丁、本文カラー、在庫リスク、会計のしやすさを合わせて決めてください。
漫画同人誌の推定額とページ単価の目安
漫画同人誌の場合、推定額ベースでは、24〜46ページあたりまで500円前後に集まりやすい傾向がありました。
| 掲載ページ数 | 調査件数 | 推定額中央値 | 推定額の中心帯 | 推定額÷ページ数中央値 |
|---|---|---|---|---|
| 〜22p | 202件 | 350円 | 300〜490円 | 21.9円/p |
| 24〜30p | 275件 | 490円 | 420〜500円 | 17.9円/p |
| 32〜38p | 160件 | 500円 | 455〜501円 | 14.9円/p |
| 40〜46p | 84件 | 500円 | 490〜599円 | 12.5円/p |
| 48〜62p | 68件 | 616円 | 503〜801円 | 11.6円/p |
| 64p〜 | 72件 | 980円 | 700〜1,050円 | 9.8円/p |
漫画同人誌では、24〜46ページあたりまで、作者側に残る金額の目安は490〜500円前後に集まりやすい傾向があります。
通販サイト上の掲載価格は、イベント会場での頒布価格や作者側に残る金額とは条件が異なります。
そのため、ここでは掲載価格そのものではなく、作者側に残る金額に近い参考値として見ています。
48ページを超えると600〜800円前後、64ページ以上では1,000円前後の価格帯が増えます。
ただし、ページ数が増えるほど、1ページあたりの推定額は下がりやすくなります。
漫画本の価格を考える場合、24〜46ページでは推定額500円前後がひとつの目安になります。
ただし、イベント頒布価格は調査データの価格と同じではなく、印刷費や頒布場所によって調整が必要です。
漫画同人誌はB5とA5でページ単価が少し変わる
印刷サイズ別に見ると、漫画同人誌ではB5とA5の推定額中央値はほぼ同じでした。
| 印刷サイズ | 調査件数 | ページ数の中央値 | 推定額の中央値 | 推定額の中心帯 | 推定額÷ページ数中央値 |
|---|---|---|---|---|---|
| B5 | 548件 | 28p | 490円 | 420〜525円 | 17.0円/p |
| A5 | 297件 | 32p | 500円 | 420〜599円 | 14.7円/p |
B5はページ数の中央値が28ページ、推定額中央値が490円でした。
A5はページ数の中央値が32ページ、推定額中央値が500円でした。
A5の方がページ数中央値は多いため、推定額÷ページ数はA5の方が低く出やすいです。
ただし、印刷サイズだけで価格が決まるわけではありません。
本文ページ数、印刷仕様、装丁、頒布場所を合わせて見る必要があります。
イラスト集の推定額とページ単価の目安
イラスト集は、漫画同人誌より推定額もページ単価も高く出やすい傾向がありました。
| 掲載ページ数 | 件数 | 推定額の中央値 | 推定額の中心帯 | 推定額÷ページ数中央値 |
|---|---|---|---|---|
| 〜22p | 301件 | 500円 | 455〜525円 | 28.0円/p |
| 24〜30p | 179件 | 770円 | 507〜980円 | 29.2円/p |
| 32〜38p | 87件 | 980円 | 767〜1,000円 | 27.6円/p |
| 40〜46p | 44件 | 980円 | 910〜1,000円 | 23.3円/p |
| 48〜62p | 21件 | 1,050円 | 945〜1,260円 | 21.0円/p |
| 64p〜 | 28件 | 1,610円 | 1,368〜2,056円 | 17.5円/p |
イラスト集は、〜22ページでも推定額500円前後です。
漫画同人誌では〜22ページの推定額中央値が350円なので、薄い本同士でもイラスト集の方が高く出ています。
24〜30ページでは推定額770円、32〜46ページでは980円前後になります。
漫画同人誌よりページ数は少なめですが、本文フルカラーや大判サイズの影響で、1ページあたりの推定額は高くなりやすいです。
イラスト集の価格を考えるときは、漫画本のページ単価をそのまま当てはめない方が自然です。
本文フルカラーかどうか、紙の種類、装丁、ページ数を含めて判断してください。
イラスト集はB5・A4・A5で価格感が変わる
イラスト集は、印刷サイズによって価格感が変わりやすいです。
| 判型 | 件数 | ページ数の中央値 | 推定額の中央値 | 推定額の中心帯 | 推定額÷ページ数の中央値 |
|---|---|---|---|---|---|
| B5 | 416件 | 24p | 560円 | 500〜970円 | 26.3円/p |
| A4 | 157件 | 24p | 770円 | 500〜1,000円 | 29.5円/p |
| A5 | 55件 | 22p | 500円 | 455〜785円 | 25.0円/p |
B5はページ数の中央値が24ページ、推定額中央値が560円でした。
A4はページ数の中央値が24ページ、推定額中央値が770円でした。
A5はページ数の中央値が22ページ、推定額中央値が500円でした。
A4イラスト集は、B5やA5より推定額中央値が高く、ページ単価も高めに出ています。
大きい判型は、印刷費や見た目の豪華さに影響しやすいため、ページ数だけで価格を比べない方が安全です。
イベント頒布価格は100円単位にすると会計しやすい
同人イベントで頒布する場合、価格は計算上の金額をそのまま使うより、100円単位に丸める方が扱いやすいです。
たとえば、ページ単価や印刷費から計算して480円になった場合でも、イベントでは500円にする方が会計しやすくなります。
反対に、計算上は520円になった場合でも、手に取りやすさを優先して500円にする判断もあります。
イベント会場では、短い時間で会計する場面が多くなります。
細かい金額にすると、お釣りの準備や計算の手間が増えやすくなります。
会計を早くしたい場合は、100円単位を基本にして、可能なら500円や1000円などの扱いやすい価格に寄せると楽になります。
ただし、すべての本を500円や1000円に合わせる必要はありません。
300円、400円、600円、700円、800円なども、イベント頒布では扱いやすい価格です。
たとえば、次のように考えると整理しやすくなります。
| 計算上の価格 | イベント頒布価格の考え方 |
|---|---|
| 420円 | 400円または500円を検討する |
| 480円 | 500円にすると会計しやすい |
| 560円 | 500円または600円を検討する |
| 730円 | 700円または800円を検討する |
| 950円 | 1000円にすると会計しやすい |
価格を丸めるときは、印刷費、本文ページ数、装丁、在庫リスク、手に取りやすさを合わせて考えます。
安くしすぎると次回以降の価格設定が苦しくなる場合があり、高くしすぎると初見の読者が手に取りにくくなる場合があります。
イベント頒布では、計算上の価格を出したあと、100円単位で調整すると実用的です。
安くしすぎると次回以降の価格設定が苦しくなる
初めて同人誌を作る人ほど、価格を安くしたくなることがあります。
「高いと思われたらどうしよう」
「安くしないと手に取ってもらえないかもしれない」
このように考えるのは自然です。
ただし、安くすれば必ず手に取ってもらえるわけではありません。
安すぎる価格には、次の問題があります。
• 印刷費を回収しにくい
• 次の本を作る負担が増える
• 次回以降に価格を上げにくい
• 同じ仕様の本と価格差が出すぎる
• 自分の制作負担を軽く見積もりやすい
たとえば、最初の本文32ページ本をかなり安く頒布した場合、次に同じような仕様の本を適正価格に戻そうとしても、過去の価格との差が気になることがあります。
価格は、安ければよいわけではありません。読者が手に取りやすい価格であること。作り手が無理なく次の本を作れる価格であること。両方を考える必要があります。
価格を決めるときは、印刷費、本文ページ単価、会計のしやすさを順番に確認すると安全です。
具体的な確認項目は、次のチェックリストで整理します。
同人誌の価格を決めるときのチェックリスト
同人誌の価格で迷う場合は、次の順番で確認すると整理しやすくなります。
- 印刷費はいくらか
- 何部刷る予定か
- 全冊売れなくても負担が大きくなりすぎないか
- 現実的に何部くらい頒布できそうか
- 1冊あたりの印刷費はいくらか
- 頒布価格を本文ページ数で割ると、本文ページ単価はいくらか
- 表紙・裏表紙・本文・装丁を含めた本全体の仕様に合っているか
- 漫画本か、イラスト集か
- 本文はモノクロか、フルカラーか
- 特殊紙や加工を使っているか
- イベント頒布か、通販か
- イベント頒布なら100円単位に丸められるか
- お釣りの準備が複雑になりすぎないか
- 会計しやすい価格帯になっているか
- 初回だけ安くしすぎて、次回以降の価格設定が苦しくならないか
価格を決めるときは、ひとつの数字だけで判断しない方が安全です。
印刷費、本文ページ単価、仕様、頒布場所、在庫リスク、会計のしやすさをまとめて見ると、自分の活動に合った価格を決めやすくなります。
まとめ
同人誌の価格で迷ったら、まずイベントで頒布しやすい価格を考えましょう。
漫画同人誌では、24〜46ページあたりまで500円前後がひとつの目安です。
48ページを超える本では、600〜800円前後、64ページ以上では1,000円前後も選択肢になります。
イラスト集は、漫画同人誌より高めに考える方が自然です。
ページ数が少なくても500円前後、24ページを超えると700〜1,000円前後、32ページ以上では1,000円前後を検討しやすくなります。
ページ単価は、本文ページ数で計算すると分かりやすくなります。
ただし、価格はページ単価だけで決めるものではありません。
印刷費、部数、本文カラー、装丁、在庫リスク、会計のしやすさも合わせて見てください。
印刷費は、全冊売り切る前提だけでなく、現実的に頒布できそうな部数でも確認しておくと安全です。最後に、イベントで会計しやすい100円単位の価格へ調整しましょう。
頒布価格は、安ければよいわけではありません。
読者が手に取りやすく、作り手が無理なく次の本を作れる価格を選ぶことが大切です。
同人誌の印刷や入稿の流れを先に整理したい場合は、初めての同人誌印刷!入稿方法・データ作成の注意点と流れを完全ガイド も参考になります。
同人活動全体の流れを確認したい場合は、同人活動の始め方からイベント参加まで完全ガイド で、準備からイベント参加までの全体像を整理しています。
よくある質問
Q. 同人誌のページ単価とは何ですか?
同人誌のページ単価とは、頒布価格や販売価格を本文ページ数で割った、本文1ページあたりの価格の目安です。
たとえば、本文28ページの本を500円で頒布する場合、ページ単価は約17.9円です。
価格が高いか安いかを考える材料になりますが、印刷仕様や装丁によっても変わります。
Q. ページ単価を計算するとき、表紙もページ数に入れますか?
価格感を確認する場合は、本文ページ数で計算した方が分かりやすいです。
頒布価格は、表紙・裏表紙・本文・装丁を含めた本全体で決めます。
一方で、ページ単価は本文ページ数でそろえると、読者が読む内容量との関係を確認しやすくなります。
大切なのは、本文ページ数で見るのか、表紙込みの総ページ数で見るのかを混在させないことです。
Q. 漫画同人誌のページ単価はいくらくらいですか?
今回の再調査では、漫画同人誌は推定額÷ページ数中央値15.6円/pでした。
ページ数別に見ると、24〜30ページでは17.9円/p、32〜38ページでは14.9円/pでした。
24〜46ページあたりまでは、推定額500円前後に集まりやすい傾向があります。
ただし、同人誌通販サイトの掲載価格から推定した金額なので、イベント頒布価格や印刷原価とは同じではありません。
Q. イラスト集のページ単価はいくらくらいですか?
今回の再調査では、イラスト集は推定額÷ページ数中央値27.2円/pでした。
ページ数別に見ると、24〜30ページでは29.2円/p、32〜38ページでは27.6円/pでした。
24ページを超えると700〜1,000円前後の価格帯が増えます。
イラスト集は漫画同人誌よりページ数が少なくなりやすく、本文フルカラー印刷や大判サイズの影響もあるため、ページ単価は高くなりやすいです。
Q. 通販価格とイベント頒布価格は同じですか?
同じとは限りません。
通販では、販売手数料、消費税、梱包や発送に関わる費用が加わる場合があります。
イベント頒布価格より通販価格の方が高くなることがあります。
Q. 印刷費から価格を計算すれば負担はなくなりますか?
印刷費から価格を計算しても、必ず負担がなくなるとは限りません。
印刷費ベースの計算は、全冊売り切る前提になりやすいからです。
実際には在庫が残ることもあるため、発行部数だけでなく、現実的に頒布できそうな部数でも計算しておくと安全です。
また、イベント参加費、交通費、宿泊費、搬入費、設営用品など、印刷費以外の費用も発生します。
すべてを頒布価格で回収する必要はありませんが、活動を続けるためには費用の全体像を知っておくことが大切です。
Q. 初心者や小規模サークルは安くした方がいいですか?
安くすれば必ず手に取ってもらえるとは限りません。
初参加や小規模サークルでは価格を低くしたくなることがありますが、安くしすぎると印刷費を回収しにくくなったり、次回以降の価格設定が苦しくなったりする場合があります。
読者が手に取りやすい価格と、作り手が無理なく次の本を作れる価格の両方を考えることが大切です。
Q. イベント頒布価格は何円単位にすればいいですか?
イベント頒布では、100円単位にすると会計しやすくなります。
計算上の価格が480円なら500円、730円なら700円または800円のように、イベントで扱いやすい価格へ丸めると実用的です。
特に500円や1000円は会計しやすい価格ですが、すべての本を500円や1000円に合わせる必要はありません。
ページ数、印刷費、装丁、手に取りやすさを見て調整してください。













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