【初心者向け】同人誌の漫画・イラスト原稿製作で使う道具リスト

2021年4月4日

”同人誌”を作ろうと思ったときに、何を準備したら良いのか判らない初心者向けに本記事を作成しています。

パソコンで同人を作ることを前提にして道具リストの説明を行います。

本記事の要約
  • デジタル環境で同人誌を作る時に必要な物を紹介しています。
  • 初心者向けで各道具の解説

パソコン・タブレット

デジタルで漫画やイラストを作るためには必要な機器です。スマホでもイラストは描けるようになってきましたが同人誌を作るには向いていません。

とりあえず、漫画やイラストを描くだけであれば、機器としてはパソコンまたはタブレットどちらでも問題ありません。

下記に特徴を比較してみました。どちらも一長一短があります。

パソコン

引用元:377053によるPixabayからの画像
タブレット(iPadなど)

引用元:stokpicによるPixabayからの画像
手軽さ×(重い、起動に時間がかかる)
ファイル保存×
画面表示○(外付けで複数画面)×(基本的に1画面のみ)
作業効率×
ペンタブレットの選択○(選べる)×(タブレット機能のみ)
入力デバイス△(限定される)

外で少し描きたいと思う場合はタブレットを選択するのが良いと思います。思いついた構図等をすぐにメモしたい場合には有効です。

しかし、作業効率や好みのペンタブレットや入力デバイスを選択したい場合は、パソコンを選ぶ必要があります。

特に漫画やイラストを描く場合は、かなりの長時間作業となるため、ストレスの出にくい環境構築も必要です。

パソコンを選ぶ際の必要スペック

構成オススメ仕様
CPUCore i5またはRyzen5以上
メモリ16GB以上(出来れば32GB以上)
ストレージSSDまたはM.2の512GB以上(ファイルは外付けに保管する)
ディスプレイノングレア(非光沢)13.3インチ以上(大きな画面は外付けディスプレイを使う)

CPUとメモリだけ良くしておけば、他は外付け機器で大体はカバー出来ます。

ノートパソコンだとメモリは機種によって増設出来ない場合がある。説明書を見て増設方法が記載されていれば増設が可能です。

もし、最初から高性能なパソコンを選択できるのであれば、高性能な物にしておくのが無難です。

※3Dモデルを多く取り扱うような場合はノートパソコンよりもデスクトップにしてグラフィック性能を上げていく必要があります。

ノートパソコンを購入する場合は、DELL(デル)HP(ヒューレット・パッカード)がオススメです。DELLは頻繁に割引セールを行っています。

ペンタブレット

パソコンで絵を描くために必要な機器です。マウスだけでも絵を描ける人はいるようですが、普通はペンタブレットを使用します。

ペンタブレットの種類は【(板)ペンタブレット】と【液晶ペンタブレット】の2種類があります。

液晶ペンタブレットはアナログの感覚で描くことが出来るためオススメではありますが、(板)ペンタブレットと比べると高価です。

(板)ペンタブレット
液晶ペンタブレット
値段値段が安い値段が高い
描き方手元を見ながら描けない ※1手元を見ながら描ける ※1
作業領域ディスプレイの画面解像度に依存※2ペンタブレットの解像度

※1
(板)ペンタブレットの場合は正面のディスプレイを目視して作業を行います。液晶ペンタブレットは、標準のスタンドを使用した場合、目線をやや下に向けて作業をすることになります。

液晶ペンタブレットは手元を見ながら描けるという利点はありますが、長時間の作業をすると首や肩に負担がかかりやすいという点には注意が必要です。

(板)ペンタブレットは正面を向いて作業をすることが出来るので、首や肩への負担は液晶タブレットに比べれば軽減されます。

※2
ペンタブレットの有効エリアとディスプレイの画面解像度をリンクさせることで、ペンタブレット上にあるペンをマウスカーソルとして再現しています。

ペンタブレットの有効エリアが小さく、ディスプレイの解像度が高いと、ペンが少し動くだけで画面上のカーソルが大きく移動することになります。

ペンタブレットメーカー

ペンタブレットのメーカーとしては「Wacom(ワコム)」が最も有名で老舗です。多く人がWacom製のペンタブレットを使用しています。(当サイトもWacomの液タブでイラスト作成しています。)

また、最近では中国メーカーのペンタブレットも出てきています。Wacomよりも安価でスペック上は遜色のないレベルです。

「HUION」「XP-Pen」などが有名です。

直近ではWacomの元社員がペンタブレットの開発を行っているという「Xencelabs (センスラボ)」というメーカーも出ててきており、以前よりかはメーカーを選ぶことが出来るようになっています。

漫画・イラストソフト

画像引用元:https://www.clipstudio.net/ 2021/04/04

漫画描くのであれば、「CLIP STUDIO PAINT EX」をオススメします。同人誌を作る場合は本文の漫画だけではなく、表紙も作る必要があるのでイラストも描ける必要があります。

CLIP STDUIO PAINTは漫画やイラストで使用することが出来る【素材】が公式サイトで無料・有料を合わせて多数提供されています。

提供されている各種ブラシや背景素材を使用することで効率よく作業を進めることが出来ます。

※CLIP STUDIO PAINT EXの1つ下のモデルとして【CLIP STUDIO PAINT PRO】というのがありますが、基本的にはイラスト向きのソフトになります。作品、ページ管理機能(複数出力)がありません。

手動(自分)でページ管理をすれば、PRO版でも漫画を描くことは可能です。

CLIP STUDIO PAINT EXは買い切りだと高いので、もし使いこなせるかどうか自信が無いという場合は月額利用で試してみるのも良いかもしれません。無料体験版も提供されています。最大3ヶ月無料です。

ペイントソフト CLIP STUDIO PAINT 無料体験版のダウンロード

CLIP STUDIO PAINT各エディションの機能比較
https://www.clipstudio.net/ja/functional_list/

ディスプレイ

(板)ペンタブレットの場合は作業効率と疲労軽減の面から外付け用のディスプレイがあると便利です。目線を下に向ける必要が無くなります。

また、1画面だけだと、資料を表示しながら作業を行おうとすると何度もウィンドウを切り替えたりしなければなりません。
作業をするのであれば、マルチディスプレイの環境をオススメします。

イラストを描く時に出来れば使いたいディスプレイの仕様としては下記になります。

構成オススメ仕様
画面サイズ27~32インチ
解像度2,560×1,440~3,840X2,160(4K)
パネルIPS
パネル処理ノングレア(アンチグレア) ※低反射
色域AdobeRGB 90%以上またはDCI-P3 90%以上

色域が狭いと色を正確に表示すること出来ないため、画面と印刷物での色が違いやすくなってきます。(ディスプレイのカラーキャリブレーションは行う必要あり)

各色域ごとのカバーしている範囲は下記のようになっています。

sRGB、DCI-P3、AdobeRGBの色域を比較したグラフになります。

AdobeRGB、CMYJ(JapanColor2001)、sRGBを比較した色域になります。

sRGBだとCMYKの色域を全てカバーしていません。AdobeRGBの色域があってようやく、CMYKの色域をカバーすることが出来ます。

同人誌の印刷は基本的にCMYKで印刷をされるため、画面上でCMYKの色域を再現することを考えるならAdobeRGBの範囲をカバーしている必要があります。
※キャリブレーションのとれたディスプレイでも必ずしも印刷物の色が画面と一致するということはありません。

もし「Webのみ」で印刷をしないのであれば色域は「sRGB」の範囲をカバーしておけば問題ありません。WebはsRGBが標準となっているため。

ショートカット用のデバイス

ショートカット用のデバイスがあると、作業効率を上げることが出来ます。特に片手で操作をすることが出来るデバイスが好ましいです。

ゲーミング用の左手デバイスを使用する方法もありますが、高価なので安価なデバイスとしてはテンキーがよく使用されています。

漫画・イラストのソフトでCLIP STUDIO PAINTを使用するのであれば、ショートカット用のデバイスとしては【TABMATE(タブメイト)】をオススメします。左利きの人でも容易に操作をすることが可能です。

CLIP STUDIO PAINTを製作したセルシスが出しているショートカット用のデバイスになります。

詳細については下記で紹介しています。

まとめ

必須道具
  • 長時間作業ならパソコン、外出時などの短時間作業ならタブレット
  • 手元を見て描きたい場合は液晶タブレット、首や肩への負担を減らしたいなら(板)タブレット
  • 漫画やイラストを描きたいなら「CLIP STUDIO PAINT EX」がオススメ
    イラストだけなら「CLIP STUDIO PAINT PRO」
あれば良い道具
  • 作業効率を上げたいなら外部ディスプレイが必要(色域の広い物がオススメ)
  • ショートカット用のデバイスを安価に済ませたいなら「テンキー」
    CLIP STUDIO PAINTを使うなら「TABMATE」がオススメ

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