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【イラスト解説】ヒビ割れた壁や地面の描き方【初心者向け】

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バトル漫画などで壁や地面が衝撃を受けるシーン、かっこいいですよね。

そんな時によく使われるのが「ヒビ」の表現です。しかし、いざ自分で描こうとすると「どう描けばリアルに見えるんだろう?」と悩んでしまう初心者の方も多いのではないでしょうか。

本記事では、そんな悩みを解決するため、簡略化したイラストを使いながら、ヒビが入る「理屈」から、具体的な「描き方の手順」までを分かりやすく解説していきます。

この記事は、「壁」や「地面」のヒビに特化しています。ガラスのヒビの描き方については、以下の記事をご覧ください。

本記事の目的
  • 壁や地面のヒビの描き方について知る
  • 壁や地面のヒビを描いてみる
  • 簡単に描けるヒビブラシ、素材の紹介

壁や地面のヒビの入り方について

1.壁や地面の厚みについて

通常、壁や地面はガラスと比較した場合、厚みがあるため強度があり、ガラスよりもヒビは非常に入りづらくなっています。

【参考】銃で石を撃った場合について
岩を銃で撃っても、少し穴が空くか岩の表面が崩れるくらいで、岩自体に大きくヒビが入るということはありません。岩全体を割る場合は相当な力を必要とすることが解ります。

2.力の「伝わり方」について

力の伝播については衝突をしたところを中心として放射状に伝わります。

実際は密度や隙間などで伝播する速度は違ったりします。

そのため、ヒビの長さはバラバラになります。全てのヒビを同じ長さにせず、長い線と短い線を混ぜて描くのが、リアルに見せるコツです。

奥行きについても平面と同様に放射状に力は伝播していきます。こちらも平面と同様に、長さを変えてヒビをいれます。

3.ヒビについて

仮に指などの異物を壁に突き刺した場合は先程の力の伝わり方の通り、放射状のヒビが入るように絵を描きます。

ヒビを描く場合は真っ直ぐに描くのではなく、途中で一度別の方向に折る(ギザギザにする)と硬いものが割れたような、それらしいヒビの見た目になります。

複数のヒビを描く場合は衝突した物体が大きいほど、ヒビは太く長く描く必要が出てきます。ヒビの線幅も大きくする。全て同じサイズで描くと単調な絵になります。

また、壁や地面にめり込む異物が大きいほど、異物の入った分だけ、元々あった、壁や地面が、端に追いやられるため、内部で引き裂く方向への力が発生し亀裂が大きくなります。

4.「円方向」のヒビについて

放射線状に伸びるヒビについては、上記の通りですが、円方向にもヒビは入ります。

これは、衝撃で押し込まれた部分と、その周りの部分との間に「段差」が生まれることで発生します。

壁や地面は、ゴムのように伸びたりはしません。十分な力で押し込まれた場合、岩は破断を起こしてヒビが入ります。
(画像の断面図は分かりやすいように大袈裟に描いています。)

円方向のヒビも全体へ均等に力が伝わったりしないため、まん丸なヒビは入りません。途中で折れ曲がったりしながらヒビが入っていきます。

また中心ほどヒビは密になり、外側に行くほど、ヒビは粗い間隔で入っていきます。(中心は衝突部分なので大きな力が発生していますが、外側に行くほど、力は分散、減衰して小さくなっていくため、ヒビが入りにくい)

5.ヒビの厚みを表現する「明暗」について

壁や地面は厚みがあるため、ガラスのように簡単には真っ二つにならないこと表現状はあります。

真上から見た場合:
奥にある面を見ることになります。入り口から徐々に狭くなるため光が入らない奥は暗くなります。

斜めから見た場合:
断面を描くことになります。こちらも同様に表面から奥にいくほど徐々に暗くなっていきます。表面よりかは陰を落とすようにします。

6.【実践編】壁や地面のヒビを描いてみる

ヒビは1本の線で描くのではなく、一番太い主線と枝分かれする線で構成されています。

枝分かれするほど、力が分散されていくため、線を徐々に細く描いていく必要があります。主線は一番太い線として描くことで、加えた力の大きさを表現することが出来ます。

1.主線を引く
最初に約30度程度の角度を目安としてヒビを描き入れます。

2.ヒビを広げる
徐々にヒビの裾を広げていきます。しかし、広げすぎないように注意が必要です。広げても60度程度までにしておきます。

また左右に広がるヒビについては段違い(右を描いたら次は左を描く)で描いていくと見た目が良くなります。

3.円方向のヒビで繋ぐ
放射状のヒビ同士を、円方向のヒビで繋いでいきます。

この時できる面が四角形に近くなるように意識すると、見栄えが良くなります。円方向のヒビは段差によってできているため、内側に影を入れると、より立体的になります。

4.複製をして組み合わせる
あとは作ったヒビを複製して回転や縮小・拡大を行って全体に広がっているように組み合わせます

最後に溝に影を落とすなど加筆をすると上記のような画像になります。 

元となっているヒビ画像は1~3で描いた物だけです。回転や縮小・拡大を行うことでランダムな部分も出てくるため、ヒビらしさが出てきます。

5.ヒビのあるイラストに迫力を加える
ヒビに迫力を追加する方法として、衝撃波みたいなものをヒビと一緒に描くといった方法があります。衝撃の強さを表現することが可能となります。

先ほどのヒビ画像を自由変形を使用して形を変えたところに衝撃波を追加しました。ペンを上下に動かしてギザギザを描いただけです。

【時短テクニック】便利なブラシ・素材の紹介

自分でヒビを描くのがどうしても出来ない場合、または、何度もヒビを描くのが大変な場合もあると思います。

そんな時は、ブラシを使用するのをおすすめします。CLIP STUDIO PAINTのブラシを紹介しています。使用した描いたサンプル画像もあります。

ヒビブラシ

地面にヒビを描くためのブラシセットです。(無料)

私が作ったブラシです。簡単な地面のヒビを描く際に使用してもらえればと思います。

https://assets.clip-studio.com/ja-jp/detail?id=1894197

瓦礫を描くブラシセットおまけ付き

瓦礫を描くブラシセットおまけ付き(100 GOLDまたは200 CLIPPY)

https://assets.clip-studio.com/ja-jp/detail?id=1772543

瓦礫を描くブラシセットの中にヒビを描くためのブラシが含まれています。地面のヒビや卵の殻を割るヒビなどの表現方法として使用することが出来ます。ブラシなので特定のヒビしか描くことは出来ませんが、複数のブラシを上手く組み合わせることで、見栄えの良いヒビを簡単に描くことが出来ます。

可変穴凹壁 3D

可変穴凹壁 3D(100 GOLDまたは500 CLIPPY)

https://assets.clip-studio.com/ja-jp/detail?id=1751774

3Dオブジェクトなので、好きな位置に配置した後にLT変換を行うことでひび割れた壁を簡単に作成をすることが出来ます。ひび割れた壁を配置した後に、人物などを適当に添えれば、漫画の一コマとしては十分な絵を作成することが可能です。

その他にも便利なヒビブラシを下記の記事で紹介しています。

次のステップへ:基本に立ち返り、さらに上達する

今回のように、一つのテーマをマスターする経験は、上達への大きな一歩です。

こうした「できた!」を積み重ねていくための、効果的な学習の進め方や全体像については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ、あなたの学習の「羅針盤」としてご活用ください。

背景に関する参考書籍まとめ

背景全体のクオリティをさらに高めたい方は、以下の記事や書籍も参考にしてみてください。

背景に関する作画方法を理論的に解説している書籍になります。

また背景を描くときの見栄えを良くするポイントについても描いてあります。

空や海などの背景を描くための描き方を解説している書籍は下記になります。

Photoshopで描くことを前提とした書籍になるため、CLIP STUDIO PAINTなどのイラストソフトで描く場合はアレンジに必要になります。

漫画やイラストに使用することが出来る背景素材集です。

室内と屋外(主に街中)の背景が掲載されています。

自分で背景を描くのが「大変」と思う場合は素材集を活用するのも一つの手段です。