【レビュー】RGBとCMYKの色域を比較してみた。

2019年8月24日

目次

RGBからCMYKに変換すると色が変わる

同人誌を入稿する時、通常はカラープロファイルをCMYKに変換をして出力を行う必要があります。AdobeRGBまたはsRGBの色で描くとCMYKに変換したとき色が大きく変わるということがあります。CMYKで原稿を出力をする場合に出力したデータの色を変わらないようにしたい場合はCMYKでサポートされている色の範囲で塗る必要があります。

CLIP STUDIO PAINTは環境設定からRGB、CMYKなどのカラープロファイル割当を行うことが出来ます。カラーマネジメントに対応したディスプレイでなければRGBプロファイルは「sRGB2014」もしくはメーカーから提供されているディスプレイのカラープロファイルになります。

CMYKについては「Japan Color 2001 Coated」が同人誌の入稿で主に使用されているカラープロファイルになります。印刷所によっては「Japan Color 2011 Coated」にも対応しているところがあります。

RGBプロファイルはディスプレイの表示出来る範囲に合わせてください。
CMYKは普通は「Japan Color 2001 Coated」にします。
レンダリングインテントは「相対的な色域を維持か知覚的」にします。
使用ライブラリは「Microsoft ICM」にします。

各プロファイルごとの色範囲の比較について下記にあります。

絵の色を塗るときにカラーサークルから、CMYKの色範囲がどのあたりか、ある程度の目安がたてられると塗るときに役に立つなと思うことがありました。RGBカラーからCMYKに変換することでの色の変化が大きく当初想定していた色から外れているということが多々あったためです。

CLIP STUDIO PAINTではプレビュー表示をすることで変換後の色を想定することが出来るようにはなっていますが、それでも印刷をした際に色がずれているということがありました。

この記事を書いているときにCLIP STUDIO PAINTのカラーサークル下にCMYK色を選ぶためのスライダーがありました。カラースライダーを使用して色を選択すればCMYKの色から外れることなく塗ることができます。カラーサークルで選択するとCMYKから外れた色になってしまいます。(CMYKから外れた色でもカラースライダーは普通に動くので注意が必要です。)

CMYKとsRGB、AdobeRGBの色範囲を比較

CMYK、sRGB、AdobeRGBの色域比較

xyの色範囲で表現をした場合、上記のようになります。AdobeRGBが最も色域が広く、次がsRGB、最後がCMYKになります。xyだと解りづらいと思いますので、カラーサークルと同じ表現にした図を下記に示します。

H-S図、AdobeRGB、sRGB,CMYK比較
※グラフエリアについてはColorACのサンプルを使用しています。

AdobeRGBの色域を「1(100%)」としてsRGBとCMYKの色域をH-S(色相と彩度)で表現したものになります。AdobeRGBと比較した図を見ると、CMYKは「シアン」「マゼンタ」「イエロー」の付近が最も色の幅が大きい(AdobeRGBよりも少し大きい)ことが解ります。
しかし、各色の中間色になるほど表示出来る色域が狭くなっていきます。
sRGBとCMYKを比較した場合、水色に近い青と緑はsRGBよりも色域の幅は大きいのですが、紫に近い色はsRGBよりもかなり狭くなっています。

sRGBがカバーできるCMYKの範囲

使用しているディスプレイがsRGB領域のみだと、図の水色囲った領域(黄色)しかCMYKの色が正しく表示出来ない。

CMYKとしてはもっと広い範囲を表現することは出来るがディスプレイの対応しているカバー範囲が狭いと正しく表示をすることが出来ない範囲が出てきてします。ディスプレイがAdobeRGBの範囲をカバーしてくれていれば、CMYKの極一部以外は全て正しく表示をすることが出来ます。

sRGBの色範囲はCMYKの色をどれくらいカバーしているのか?

sRGBカラープロファイルの色範囲を基準としてCMYKカラープロファイルの色範囲を比較するsRGBはCMYKを「85.4%」カバーしているという結果になりました。

二次元的な物だと解りづらいのでCMYKとsRGBを3Dで比較を行いました。

ICC View
https://www.iccview.de/3d-color-space.html

先ほどのsRGBとCMYKのカラープロファイルを3D比較したものを動画にしました。
CMYKの各頂点をLabの色座標で記載しています。